多ジャンルヲタクの備忘録

色んな推しについてを気の向くままに書きます。

腹黒弁天町

お久しぶりです。

約1年振りにはてブを書きます!

今回は、腹黒弁天町を観劇したのでその感想ブログになります!

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私の好きなテイストのお話でめちゃくちゃ刺さりました。凄く良かったです。色んな人に見てほしい、めちゃくちゃ熱量があって素敵で笑えてほろっと泣けるそんな作品です。

 


まずこの作品で私に刺さった、しんどかったポイントをあげていきますね。

 

①衣装がめちゃくちゃいい

②財前と山岡の対比

③財前と小雪の関係

 


①衣装がめちゃくちゃいい

これは舞台写真を見て貰えばわかるんですけど、衣装がこんなにもイメージにマッチしますか?!

ステージナタリー on Twitter: "「腹黒弁天町」開幕、W主演のふぉ~ゆ~福田悠太&辰巳雄大が意気込み(コメントあり / 舞台写真あり) https://t.co/xcVGm8PD6R #腹黒弁天町"

山岡役の辰巳くんは洋装。財前役の福ちゃんは和装。

これはこの舞台の時代設定が明治後期だから有り得る服装。

他の中学校の先生でも、上はジャケット下は袴よりのパンツを履いてる人もいたので、時代だな〜と思いながら観てました。

 


財前役の福ちゃんは骨格がいいから和装がえげつないほど似合う!!!!

 


今回は席が、2列目と3列目だったですけど、

ただでさえ近くてめちゃくちゃしんどいのに、好きな人が和装でめちゃくちゃ似合ってる姿を観たら、好きが溢れますよね??

マジで観てる時に変な声を出しそうになったので、ずっと奥歯を噛み締めて食いしばって観てました。(観劇の癖が強い)

 


1幕は無地の着物と袴で、着物の下に襟なしのシャツを着てるんですが、最初シーンは電車に乗ってるのでポンチョみたいなのを羽織っていてこれもまたいい。文豪感がする(生物の先生です)

 


2幕はストライプの袴になって、下に着ているシャツが襟付きで蝶ネクタイをしていて、まあ、これも似合う。和装させたら日本一なんじゃないかなと思うくらいめちゃくちゃ似合ってました。

 


財前は生物の先生なので、白衣を着てるシーンがあるんですけど、最初は舞台の上の場所にいる時に着てたんです。それを見た瞬間に

下に降りてくるな!これ以上惚れさすな!!!!

という気持ちになったんですけど、普通に下に降りてきましたよね。しかも、目の前から現れて…そこで私は死にました。和装×白衣がこんなにもぶっ刺さるのか…こんなにもいいんだな…って思いました。ありがとうございます。

 


山岡のスーツもこれまた良くて…ありがとうございます…

弁天様を選ぶシーンで辰巳くんのチャームポイントであるプリプリのお尻が観れるんですけど、これはスーツじゃないと観れないので、本当に衣装さんありがとうございます。

1幕では、ネクタイでベストにスーツ。スーツとベストの色は違う色でした。

2幕は蝶ネクタイになって、スーツとベストの色が一緒になってました。

 


ここで言わせてください。

衣装さんありがとうございます!!!!

 


②財前と山岡の対比

財前は、頑なに「校長達のような汚い大人、俗物にはならない」という頑固者。自分の思ったことや意見をしっかり出す人。出しすぎて社会に出て生きていくのが下手な人。

山岡は、人に合わせたり流される人、八方美人な感じの人。世渡り上手な人。

真反対の2人が、1幕は社会に出て汚い大人たちがいっぱいいることに愕然としつつも、自分たちの意志を貫き通していく。

2幕では、2人は別々の道を歩んでいた。

 


財前が突然姿を消した時に、山岡は「ホッとした」というセリフがありました。財前のように生きなければいけない、財前に合わせなければというプレッシャーに感じていた自分がいたけど、その財前が姿を消したから、自分が生きやすいように生きれるという安心感から来た言葉だなと思いました。

山岡は、この社会を上手く生きていくには「清濁併せ呑む」ことが必要だと早い段階から気がついていたが、財前と一緒にいることによってできなかったから、財前に合わせる必要が無くなった安心感が凄かったのかなと思いました。

 


一方、財前は小雪に惚れ込んでいて、近くにいたい、近づくために、財前が1番嫌いなタイプであろう大金田の秘書になるという道を選んでいた。

 


絶対に財前は大金田のことめちゃくちゃ嫌いだと思うんです。大金田って、この作品でめちゃくちゃ腹黒い人の象徴の人だと思うんです。その人の下に付くということで財前なりの「清濁併せ呑む」をしたのかなと思いました。好きな女のためには、自分の気持ちを押し殺して生きていくという選択をしたんだなって思いました。

 


別々の道を選んだ2人が、芸者小屋で再会する。校長達と選挙の票集めのために接待のために来た山岡が、街中の芸者を買って遊んでいた財前と再会した後のシーンで、酒を飲みかわすシーンはめちゃくちゃ良かった。

 


普通に考えたら、あんなに芸者を拒絶してた財前が今や芸者に溺れてる姿をみたら、普通に絶望というか、「お前はこんな奴だったのか…」って落胆すると思うんです。でも、山岡はそんなことを思わずに、財前と酒を飲み語るんです。

めちゃくちゃ良い奴だな…っていう気持ちとこの2人の絆は深いんだなって思いました。

 

 

 

山岡と財前の最後のシーン。

山岡の最後の口上で「行くところまで行く」というセリフがあったように、財前は小雪と刺しあって一緒に死ぬ。心中するという最期を迎えた。好きな人と最期を添え遂げることができた。好きな人のために相手を切る事で、愛していることを示して「行くところまで行った」財前。

 


山岡は、財前と小雪の心中を目の当たりにして「羨ましい」という感情を抱いた。

そして、財前が上手く生きていけなかった社会を登りつめて「行くところまで行った」山岡。

40歳前で教頭になって、校長になる直前で教員を辞めて不動産に手を出して大金持ちになった山岡。


この2人の対比がめちゃくちゃ凄く良かった。

 

 

③財前と小雪の関係

私は、この2人の関係を一生引きずる気がする。不意に考えてしまう気がする。

この2人頑張って幸せになるルートがどこかにないんですか!?

え?天国で幸せに暮らしてるだろうって?

そうかもしれないけど、私は現世でこのふたりが幸せに暮らすことがどうにかできなかったのかっていう話をしてるんですよ!!

 


財前が大学4年の冬に芸者に溺れ、身を持崩した過去が無ければ、小雪の最初の誘いから上手くいってたのかなって思ったり、小雪も、みんなと同じように接しっていなければ、特別感を出していれば良かったのかなと思ったりしました。

 


財前はいつから小雪の事を好きになったのかなって考えたんですけど、小雪と芸者小屋で再会した時に、電車の中で山岡から奪った小雪の名刺を毎日寝る時に抱きしめて寝てたからぐしゃぐしゃになってしまったから名刺を新しいのにしてくれと頼んでたので、電車の中で出会った時に一目惚れしたのかなって思いました。

というか、貰った名刺を寝る時に抱きしめて寝てる財前がピュアで一途でめちゃくちゃ可愛いくて、頭抱えそうになった。

そんなに好きなのか…めちゃくちゃ一途じゃん…好き…ってなりました。

 


小雪は、いつ財前を好きになったのか考えてみました。

電車の中で出会った時は多分、営業トークというか、芸者として呼んでもらうための感じだなと感じました。

でも、校長と教頭に「財前を嵌めてくれ」と頼まれた時に遠くにいる財前をみた時に惚れたのかなと思いました。あの時の、目が表情がめちゃくちゃ綺麗で財前に惚れてる顔してるなと思いました。

 


ということは、芸者小屋で再会した時は、両想いだったっていうことなんですよ!!!!

 


なのに、財前が天邪鬼だったから小雪の言葉を仕事上の言葉だの嘘だの言って信じようとしなかった。その姿を見て傷ついた小雪は「本当の気持ちは心にしまって置く」って言ってしまう。

この時の私の心の中は大荒れですよ!笑

「財前!!!!なんでそういうこと言うの!!?ダメでしょ!!!!好きなんでしょ!!素直になりなよ!!」って心の中で思ってました。

 

 

 

駆け落ちする時に、出発するシーンで階段から財前が来るんだけど、源さんと話してる小雪を見つけて幸せそうに微笑むんです。それがめちゃくちゃしんどい。これを観たのが2回目の観劇の時で、本当に幸せそうだし、嬉しそうに微笑むのを観た時この後の展開を知ってるので、めちゃくちゃ切なくてしんどかったです。

 


鳴海邸で逃げてるシーンは、2人がめちゃくちゃ想いあってるし好き同士な2人だなって感じました。お互い守りあってる姿を観て、めちゃくちゃしんどくなった…

手を握って、助け合いながら逃げ回ってる姿がめちゃくちゃ刺さった。

 


奥間に隠れてる時に、2人が言い合ってる姿がめちゃくちゃ好きだった。

川に落ちるなら、財前が「まだ寒いな…今なら心臓麻痺で死ねるな…」って言った後に、「水に浮かんで死ぬ芸者がどこにいるの!?」っていう小雪の掛け合いがめちゃくちゃ見て好きだわ…って思った。

 


2人とも惚れ合ってるのに相手を信じられない姿を観てるのがめちゃくちゃ辛かった。

2人とも「この腹の中を見せて本当に好きだ」っていうのを伝えるのにお互いの言葉が信じられない。その姿がめちゃくちゃ辛くてしんどかった。

財前が、心からお前に惚れ抜いてるんだっていうニュアンスのことを言うけど、小雪は疑ってしまう。

この時は、芸者小屋で再会した時とは逆になるんです。それが観ててめちゃくちゃ切なくて辛かった。

なんで、本当に大切にしたい人ほど疑ってしまうのだろうって思ってしまって…この2人は腹黒い人達の色んな行動を見てきたし、そしてその人たちに追われて、命を狙われてるからなんだけど、そんな時こそ信じ会えれば強い2人になるんじゃないのかな…って思いながら観てました。

本当にこの逃げてるシーンは、切なかったけど想い合ってる2人の姿がめちゃくちゃ観れて本当にいいシーンでした。

 


小雪が「嘘」って何回も言うですけど、その回数が、財前が芸者小屋で小雪に向かって言った数と多分一緒で、セリフの伏線の回収の仕方が綺麗すぎてそこにめちゃくちゃ感動した。

 


心中のシーンは、とても綺麗で泣けてきてしまった。

山岡くんが、どうにか校長たちを説得しようとしてる時に障子の裏で小雪と財前がどういう話をしてたのかは分からないけど、財前が「こういうことになりました。」って言ってお互いの腕を紐で縛って小刀を突き付けあってる姿を見た時に、そう来たか…と初見は思ってめちゃくちゃ悲しかった。

 


でも、これが悲しいけど、2人が本当に惚れあってる愛し合ってる証明なんだって思った。

最後の最後まで、お互いに「どうせ裏切るんでしょ」って言ってたのに、ちゃんとお互いに刺しあっていて、お互いに死ぬ事で証明するのって山岡にとってはめちゃくちゃ辛いなって思いました。山岡は2人が両思いだっていうのを知ってて、小雪と財前それぞれに両思いなんだよって伝えるけど信じてもらえなくて、めちゃくちゃむず痒い思いをしてたのに、こんな悲しい形でお互いの愛し合ってる証明してしまう2人の一部始終を見てる山岡の気持ちを思うとめちゃくちゃ悲しかったし、観てるこっちも悲しかった。

観ている側は悲しくても、心中してる側はお互いの本当の気持ちを知ることが出来て、本当に愛し合ってることがわかるっていう2人にとって、この選択は幸せだったのかな…と書きながら思ってしまって、他に一緒に生きることが出来なかったのかって考えてみたけど、もし、親方に殺されなかったとしても財前は横領で捕まるし、小雪も共謀で捕まるしな…

2人で最期を迎えるということが、若い2人があの危機的状況で考えられた最高の答えだったんだなって思いました。

 

この作品を観て、主役の福辰はもちろんめちゃくちゃ良かったんですけど、小雪役の伊勢佳世さん。伊勢佳世姐さんの存在感が凄くてめちゃくちゃファンになりました。

辰巳くんが伊勢佳世姐さんって呼ぶ理由がわかった。

小雪にしか見えなかったし、めちゃくちゃ表現力が凄くて小雪の感情が見てる側にちゃんと伝わってくるお芝居で小雪に感情移入しながら観劇してました。本当に凄かった。

 


ここからは、ヲタク的な感想です。

最初の衣装のところでちらっと書いたのですが、今回席がめちゃくちゃ近くてめちゃくちゃしんどかった。チケットが届いた時から気づいていたけど、こんなに近いとは聞いてないってめちゃくちゃ思いました。

そんなこんなで舞台が始まって出てくる福ちゃんは和装でめちゃくちゃかっこいいし、辰巳くんもめちゃくちゃかっこいいしで、お話もとても好きなテイストで本当に楽しかった。

最後のシーンで山岡の108歳をお祝いするシーンは、目の前に白い花束を持った和装の福ちゃんが現れたから、結婚でもするの?プロポーズですか?これは強めの幻覚かなって思うくらいかっこよくて、とてもしんどかった。

 


そして、福ちゃんが陽性になって前半は公演中止になってしまって開幕できるかめちゃくちゃ不安でした。でも、幕が開けたら板の上に立ってる時のいつも通りの福ちゃんがいてめちゃくちゃ安心してました。

でも、千穐楽後のLINELIVEで、この舞台をやれるかどうか分からなかった。正直できないと思った。みたいな発言をした時は、「え、マジで…全くそんな風には見えなかった…」って思いました。

福ちゃんが陽性になった次の日くらいから喉の痛みが出て、それが酷くなって声も出せない状況になって、熱も出てめちゃくちゃしんどかった。症状が酷くて入院手前になったけど、舞台の本番があるから、絶対治す!!!!って思ったら回復したっていうのを聞いてめちゃくちゃ胸が痛かった。実は舞台の時も後遺症の咳がめちゃくちゃあって、役柄もそんなに楽じゃないしめちゃくちゃ大変だったけど、情熱で乗り越えたっていう話をしていて、めちゃくちゃびっくりしました。

舞台上では、咳どころかめちゃくちゃ声も出てたけど、本当は裏ではめちゃくちゃしんどい辛い思いをしながら、命を削りながら舞台に立ってたという事実を知って、観劇した時に元気そうで良かったって呑気に思ってた自分を殴りたい。

 


色々なことがあった、この作品だけど、私の心にめちゃくちゃ刺さった作品でもあるから一生忘れない作品だと思うし、観ることが出来て、上演することが出来て、無事に幕が降りることが出来て心から良かったと思える作品でした。